寺田昌嗣の「フォーカス・リーディング」を読んだ。速読のための読書術の本。そもそもなぜ読書をするのか?から指摘している点で大変ためになった。
もともとぼくは読書が好きなのだけれど、専門書などは読むスピードが遅い。ところがブログを書くようになって、ネタをまとめる手段を知りたくて、「ザ・マインドマップ」をさっと目を通したら意外と読むことができた。そこで、速読についてもう少し知ろうと偶然見つけて読んでみた。
「フォーカス・リーディング」では、読書術として【理論編】【鍛錬編】【実践編】に分かれてる。
良かったのは【理論編】。何のために読書をするのか?を改めて説いている。ただ多く読めば良いわけじゃない。特に、何を読んで何を読まないかが大事。そして読んだあと内容を身につけるためにどうするのか、も考えていかなければならない。
目的もないのに行動するのも愚かしい話だけど、何か読んでおけば内容を全然覚えていなくても成長した気になっていた僕にとっては、諭された気分だった。これからは、こうしてブログにまとめていくことにしよう。
もうひとつ、読書するときの体の姿勢や緊張による視野の狭窄が速読に影響することは盲点だった。たしかに夢中になってのめり込んでしまうと、一字一句を目で追ってしまい遅くなる。そして遅いがゆえに分割して読むことになって、前の内容を覚えていないまま次の内容を読む。で、何が書かれているのか全然わからねーってなる。そうじゃなくて、リラックスしてさっと頭に入れていく。そうすることで全体がつかめるので内容も頭に入りやすい。しかも時間がかからないから、分からなければもう一度読めばいい。
【鍛錬編】は、速読をスポーツとして捉え、目の動かし方や考え方が書かれている。が、ここは速読しようとすると自然と身につく部分だった。視線の動かし方なんて、書かれなくてもやってるよ、という程度。
【実践編】は、読書の目的を明確にした上での、より現実的な方法論。自分にプレッシャーを掛けるよう積ん読しておく、などはまぁそうかな、と思うけど速読という目的からは離れた内容に感じた。
文庫で読みやすいし、理論編を読んだだけでも元が取れたとおもう。