とにかく書く

日々の雑感や知り得たことを、とにかく書いています

予想通りに不合理

ダン・アリエリー(熊谷淳子訳)の「予想通りに不合理」を読んだ。 行動経済学者である著者が、これまで行なってきた実験を示しながら人がいかに非合理的に行動を起こすかを記した本。全15章のうち各章が独立したテーマになっていて、かつ、どの章も実におもしろい!どの章にもテーマになっている非合理的な行動に対する対応を著者なりの提案として示されている。

合理的な行動っていうのは、ある状況に置かれた時に「そりゃこうするでしょう!こっちのほうが得だし!」と当然考える行動のこと。たとえば、本文にあった実験から引用すると

無料で10ドルもらうのと、7ドル払って20ドルもらうのとでは後者をとる

のが合理的な行動。経済学では「人は合理的な行動をとる」ことを前提としている。

だけど、人には心があって不思議と非合理的な行動をとる。無意識の内に!どの実験についても自分に置き換えると「あー、そうだな。たしかに非合理的だけどそうするな」って感じる。そしてみんな、ある意味なぜか非合理的な行動を取る。…予想通りに。

Wikipedia行動経済学の説明には

従来の経済学の理論は、その合理性を重視し、いかに行動すべきかを示すことを目的とする色が濃い。こうした理論を「規範的理論」と呼ぶ。一方、行動経済学の理論は、実験と観察的事実を重視し、それらについて説明することを主たる目的とする。

と書かれているけれど、この本では人の非合理性を明らかにした上で「だったらどうしたら合理的な行動、往々にして理想的な行動、をとれるか」にまで言及している。あるいは「人の非合理性を考慮して、どう商品を売り込んだら、どう人と接したら、どう物事を捉えたら良いか」といった点も述べられている。

今回さっそく、読んだ本の感想はすぐに書くことを実践していくよう決めた。先延ばしが非合理的だと頭ではわかっていても面倒だと思ってしまっていた。けれど、あとに回すと内容を忘れ、そうするともう書けないと思い直して。

ちなみに著者のダン・アリエリーはTED Talkでいくつか講演もしている。本書の内容と重複するところもあるけれど、著者自身がナマで話しているのを聞くのも、また違ったおもしろさが体験できる。